ジョン・オグドン（John Andrew Howard Ogdon, 1937年1月27日 - 1989年8月1日）は、イングランドのノッティンガムシャー出身のピアニスト・作曲家。彼はどんな難曲でも初見で弾くことができ、数回通せばそれを暗譜してしまうことができたという、まさに現代（といっても前世紀だが）の神童であった。デニス・マシューズや、ブゾーニの弟子であったエゴン・ペトリらに師事。正当なブゾーニスクールの後継者であった。
彼の名前を一躍有名にしたのは1962年のチャイコフスキーコンクールで、あのウラジミール・アシュケナージと共に優勝を分け合っている。この時のガラコンサートでの録音を聞くと、両者ともキャリアの絶頂と言っていい技術を誇っており、まさに甲乙つけがたい。しかしその後の二人のキャリアは明暗を分けた。国際的キャリアを現在まで維持し続けているアシュケナージを光とするなら、表舞台から徐々に姿を消していったオグドンはまさに闇と言っていいだろう。
アシュケナージがベートーヴェンやショパンなどの「一般的」なレパートリーを体系的に録音していく一方で、オグドンは当時あまり知られていない作品を果敢に取り上げ、録音していった。その多彩さが仇となり、マニア向けのピアニスト的な扱いを受け、70年代の精神的失調による活動停止（実際にはわずかながら演奏会や録音も行っているのだが）も相まって急速に忘れられていき、現在も知る人ぞ知る存在にとどまる。
幸いなことに現在ではオグドンの録音がボックスセットとして再発されており、次の2点を買えば主要な録音は大体揃えることができる。
Icon: Legendary British Virtuoso（17CD）
The Complete RCA Albuｍ Collection（6CD）
この2点に於いて共通しているのは、ショパン、リストやベートーヴェンといった一般的なレパートリーとほぼ同格の扱いで、アルカン、ブゾーニやニールセンといった当時あまり録音を目にすることない作品を弾いていることである。今でこそ相当なマイナー作曲家でも録音を手に入れることが容易になったが、こうした発掘系の仕事をトップレベルのピアニストが行ったのはオグドンが初めてだろう。かのアムランも録音した作品を見ると、オグドンと被っているものが少なからずあり（アルカンやブゾーニなど）、影響を受けていることがわかる。
また、オグドンは同郷・同時代の作曲家作品を果敢に録音している。アラン・ロースソーン（Alan Rawsthorne）、ロバート・シンプソン（Robert Simpson）、ピーター・メンニン（Peter Mennin）、リチャード・ヤルドゥミアン（Richard Yardumian）、リチャード・ホール（Richard Hall）、アレクサンダー・ゲール（Alexander Goher）、ピーター・マクスウェル・デイヴィス（Peter Maxwell Davies）、ロナルド・スティーヴンソン（Ronald Stevenson）、マイケル・ティペット（Michael Tippett）、ジョージ・ロイド（Georege Lloyd）、カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ（Kaikhosru Shapurji Sorabji）、そしてジョン・オグドン本人の作品など。残念ながら、これらの中で現在でもコンサートに上がるものはごくわずかである。
オグドンの演奏には賛否両論がある。出来のいい初見を聞かされているようだ、というのはよく聞く批判である。確かにオグドンの演奏からはホロビッツのような強烈な個性を感じ取ることは難しい。しかし、ヴィルトゥオーゾ的なショーピースであっても、技巧ではなく音楽を聞かせようとする姿勢は、作品の模範的演奏を録音したいというアムランに通じるものがあると思う。オグドンの技巧は、デュカスのソナタ3楽章やピーター・メンニンのコンチェルトを聞けば疑いのないものであることがわかるだろう。
しかし、オグドンは現代作品に対してはある種の限界があった。同時代の作曲家の作品を果敢に取り上げつつも、決してブーレーズやシュトックハウゼンやクセナキスといった「前衛」の作品を取り上げることはなかった（ライブではどうだったのだろうか？）。新ウィーン楽派作品も録音がない。根はロマン派だったのだろう。晩年にラフマニノフのピアノ曲全集（未完）に取り組んだのも頷ける話である。
また、ほとんど言及されることがないが、オグドンは200以上の作品を作った作曲家でもある。自作自演の録音が2枚ほど残されているが、日の目を見ていない作品がまだまだある。大半はピアノ曲であるが、オペラや室内楽などの作品もあるという。しかしながら、それらは手稿譜のままで整理もされていないため、我々がアクセスするのは難しい。将来的に研究者によって編纂され世に出る日が来るのであろうか？
ジョン・オグドンの録音リストはジョン・オグドン協会のディスコグラフィーから見ることができる（ただし更新を長らくしていないため最近の再発が載っていない）。幾つかの作品は未だにCD化がされておらず（EMI録音なのに上記ボックスセットに未収録のものもある）、それらの作品を収録したLPはマニアアイテムとなっている。仙台レコードライブラリーやeBayあたりを丹念にチェックするしかないだろう。秘曲発掘系ピアニストの嚆矢としてオグドンの功績は今をもって輝かしいものであると私は信じている。
以下に、アマゾンで手に入るオグドンのCDを列挙しておく。同一録音のものは除外している。例えば、70th Anniversaryの4枚組は上記16枚組と完全に被るので買う必要はない。
Sorabji: Opus Clavicembalisticum(Altarus, AIR-CD-9075) 5CD
イギリスの怪物作曲家ソラブジの大作。演奏時間は1曲で悠に4時間半超！ オグドンはこの曲を5〜60年代から弾いていて、作曲者の前で私的に演奏したこともあるが、録音が実現したのは最晩年である。楽譜をつぶさに見ていけば弾き流している部分もあるのだろうが、この異形の作品の魅力を十分伝えていると思う。（リンク）
Busoni: Transcription after J.S.Bach(Altarus, AIR-CD-9070(2)) ２CD
ブゾーニによるバッハ作品のピアノ編曲集。筆者未聴。これも晩年の録音である。ジョン・オグドン協会のディスコグラフィーでは未発売と記載されているが無事発売された。（リンク）
CD1
- Toccata in C major: I. Preludio
- Toccata in C major: II. Intermezzo
- Toccata in C major: III. Fuga
- Organ Chorale Preludes, book 1, no. 3: Nun komm' der Heiden Heiland
- Organ Chorale Preludes, book 1, no. 5: Ich ruf' zu dir, Herr
- Organ Chorale Preludes, book 2, no. 7a: Durch Adam's Fall ist ganz verderbt (prelude)
- Organ Chorale Preludes, book 2, no. 7b: Durch Adam's Fall ist ganz verderbt (fugue)
- Organ Chorale Preludes, book 2, no. 9: Jesus Christus, unser Heiland, der von uns den Zorn Gottes wandt
- Prelude and Fugue in E-flat major (St Anne's Fugue)
- Toccata und Fugue d-Moll, BWV 565, BV B 29 no. 2
- Chaconne from Partita II in D minor for violin, BWV 1004
- Fantasia contrappuntistica (probably recorded in 1986)
晩年のライブ録音。ジョージ・ロイドのThe Road Through Samarkandなる珍しい曲を除けば一般的なレパートリーを演奏している。リストの「ダンテを読んで」は「Great Pianists of the 20th Century - John Ogdon, Vol.2」に収録されたものと同じかどうか、今手元にないため判別できない（同時期にAltarusでスタジオ録音しているが未CD化）。（リンク）
- Bach: Prelude and Fuga C#minor
- Beethoven: Sonata no.30 mouvement.1-2
- Beethoven: Sonata no.30 mouvement.3
- Liszt: Sonata "Après une lecture de Dante"
- Chopin: Etude op.25-1
- Chopin: Ballade no.1
- Lloyd: The road through Saｍarkand
In Memoriam John Ogdon (Altarus, AIR-CD-9063(2)) 2CD
ジョン・オグドン追悼盤。筆者未聴。2枚組だが1枚目はオルガニストのケビン・ボウヤー（Kevin Bowyer）による演奏。オグドンの演奏は2枚目のみ。ここでのブゾーニ録音は他のAltarusでの録音と同一かは未確認。（リンク）
CD1 Kevin Bowyer, organ
- Stevenson: Prelude and Fugue on a theme by Liszt
- Hinton: Pansophiae for John Ogdon
- Busoni: Fantasia Contrappuntistica (arr. Middelschulte)
- Busoni: Fantasia Contrappuntistica
- Busoni: Fantasia nach J. S. Bach
- Busoni: Elegie no.2 "All'Italia!"
- Stevenson: Sonatina no. 1
- Ogdon: Dance Suite
Busoni: Fantasia Contrappentistica, etc. (Altarus, AIR-CD-9074)
なぜかアマゾンではPiano ConcertoというCD名になっている。ブゾーニ集。Continuumから出されていたCDと同内容らしい。ブゾーニ作品はロマン派的な盛り上がりとは一線を画す冷静さが特徴だと思うが、それがオグドンの客観的な演奏アプローチに合致していると思う。（リンク）
- Fantasia contrappuntistica (recorded in 1985?)
- Fantasia nach J.S.Bach
- Toccata
John Ogdon plays John Ogdon
1979年4月15日の演奏会での録音とジャケットにある。筆者未聴。ジョン・オグドンの作風を形容するのはなかなか難しいが、少なくとも戦後を席巻した前衛とは無縁の作風であることは確かだ。他の作品を聴く限り、おそらく演奏は簡単ではないだろうが、派手には響かない晦渋な作風である。（リンク）
- Piano Sonata no.2
- Sonatine
- Dance Suite
- Variations and Fugue
- Theme and Variations
- Piano Sonata no.3
- Varlaam's song
Scriabin: Piano Music（EMI）
ソナタ全曲に加えて練習曲や前奏曲、詩曲”炎に向かって”を収録。筆者未聴。ジャケ違いの再発盤も存在する。中古屋などで割と見かける。幻想曲やOp.42の8つの練習曲など、CD1枚分はありそうな未CD化録音があるので今後の再発を期待したいが…。（リンク）
CD1
- Étude in C sharp minor, Op. 2 No. 1
- Piano Sonata No. 1 in F minor, Op. 6 : First movement: Allegro con fuoco
- Piano Sonata No. 1 in F minor, Op. 6 : Second movement: (Lento)
- Piano Sonata No. 1 in F minor, Op. 6 : Third movement: Presto - Fourth movement: Funèbre
- Piano Sonata No. 2 in G sharp minor, Op. 19 ('Sonata-Fantasia') : First movement: Andante
- Piano Sonata No. 2 in G sharp minor, Op. 19 ('Sonata-Fantasia') : Second movement: Presto
- Piano Sonata No. 3 in F sharp minor, Op. 23 : First movement: Dramatico
- Piano Sonata No. 3 in F sharp minor, Op. 23 : Second movement: Allegretto
- Piano Sonata No. 3 in F sharp minor, Op. 23 : Third movement: Andante -
- Piano Sonata No. 3 in F sharp minor, Op. 23 : Fourth movement: Presto con fuoco
- Piano Sonata No. 4 in F sharp, Op. 30 : First movement: Andante
- Piano Sonata No. 4 in F sharp, Op. 30 : Second movement: Prestissimo volando
- Four Préludes, Op. 48 : I: Impetuoso fiero
- Four Préludes, Op. 48 : II: Poetico con delizia
- Four Préludes, Op. 48 : III: Capricciosamente affanato
- Four Préludes, Op. 48 : IV: Festivamente
- Piano Sonata No. 5 in F sharp, Op. 53
CD2
- Two Morceaux, Op. 57 : I: Désir
- Two Morceaux, Op. 57 : II: Caresse dansée
- Feuillet d'album, Op. 58
- Piano Sonata No. 6 in G, Op. 62
- Two Poèmes, Op. 63 : I: Masque
- Two Poèmes, Op. 63: II. Étrangeté (Gracieux, délicat)
- Piano Sonata No. 7 in F sharp, Op. 64 ('White Mass')
- Piano Sonata No. 8 in A, Op. 66
- Two Préludes, Op. 67 : I: Andante
- Two Préludes, Op. 67 : II: Presto
- Piano Sonata No. 9 in F, Op. 68 ('Black Mass')
- Piano Sonata No. 10 in C, Op. 70
- Vers la flamme, Op. 72
- Five Préludes, Op. 74 : I: Douloureux, déchirant
- Five Préludes, Op. 74 : II: Très lent, contemplatif
- Five Préludes, Op. 74 : III: Allegro drammatico
- Five Préludes, Op. 74 : IV: Lent, vague, indécis
- Five Préludes, Op. 74 : V: Fier, belliqueux
Beethoven: Piano Sonatas (IMP, PCD828)
こちらも晩年の1986年の録音。筆者未聴。3大ソナタを人気がある頃に録音しなかったというのがいかにもオグドンらしい。（リンク）
- Sonata no.14 "Moonlight": 1 Adagio Sostenuto
- Sonata no.14 "Moonlight": 2 Allegretto
- Sonata no.14 "Moonlight": 3 Presto
- Sonata no.8 "Pathetique": 1 Grave-Allegro Di Molto E Con Brio-Grave-Allegro...
- Sonata no.8 "Pathetique": 2 Adagio Cantabile
- Sonata no.8 "Pathetique": 3 Rondo-Allegro
- Sonata no.23 "Appassionata": 1 Allegro Assai-Adagio Piu Allegro
- Sonata no.23 "Appassionata": 2 Andante Con Moto
- Sonata no.23 "Appassionata": 3 Allegro Ma Non Troppo
Rachmaninov: Previously Unpublished Recordings (Warner)
オグドン晩年の最問題作？ 元々ピアノ曲全集を作るつもりで録音を進めていたが、急逝のため未完、出来が良くないために長らくお蔵入りになっていたものが、世に出たというもの。正直、これは世に出して良いものだったのだろうかと疑問に思う。決して弾けていないわけではないのだが、上滑りするパッセージやミスタッチ、何より60年代に録音したものと同じ人間が弾いてるとは思えない覇気のなさに、わざわざこの録音を聴く意義はあるのかと感じてしまう。生きていたら録音仕直しや編集などを行ってもっと完成したものを作り上げていたのではないだろうか。（リンク）
CD1
- 10 Preludes op.23: 1 F Sharp Minor (Largo)
- 10 Preludes op.23: 2. B Flat (Maestoso)
- 10 Preludes op.23: 3. D Minor (Tempo Di Menuetto)
- 10 Preludes op.23: 4. D (Andante Cantabile)
- 10 Preludes op.23: 5. G Minor (Alla Marcia)
- 10 Preludes op.23: 6. E Flat (Andante)
- 10 Preludes op.23: 7. C Minor (Allegro)
- 10 Preludes op.23: 8. A Flat (Allegro Vivace)
- 10 Preludes op.23: 9. E Flat Minor (Presto)
- 10 Preludes op.23: 10. G Flat (Largo)
- 13 Preludes op.32: 1. C (Allegro Vivace)
- 13 Preludes op.32: 2. B Flat Minor (Allegretto)
- 13 Preludes op.32: 3. E (Allegro Vivace)
- 13 Preludes op.32: 4. E Minor (Allegro Con Brio)
- 13 Preludes op.32: 5. G (Moderato)
- 13 Preludes op.32: 6. F Minor (Allegro Appassionato)
- 13 Preludes op.32: 7. F (Moderato)
- 13 Preludes op.32: 8. A Minor (Vivo)
- 13 Preludes op.32: 9. A (Allegro Moderato)
- 13 Preludes op.32: 10. B Minor (Lento)
- 13 Preludes op.32: 11. B (Allegretto)
- 13 Preludes op.32: 12. G Sharp Minor (Allegro)
- 13 Preludes op.32: 13. D Flat (Grave)
- Sonata no.1 op.21: I. Allegro Moderato
- Sonata no.1 op.21: II. Lento
- Sonata no.1 op.21: III. Allegro Molto
- Sonata no.2 op.36 (1931 version): I. Allegro Agitato
- Sonata no.2 op.36 (1931 version): II. Non Allegro - Lento - L'Istesso Tempo
- Sonata no.2 op.36 (1931 version): III. Allegro Molto - Presto
- 3 Nocturnes: 1. F Sharp Minor (Andante Cantabile - Allegro - Allegro Vivace - Andante Cantabile)
- 3 Nocturnes: 2. F (Andante Maestoso - Allegro Assai)
- 3 Nocturnes: 3. C Minor (Andante - Allegro Moderato - Moderato - Cadenza - Andante)
- Études-Tableaux op.33: 1. F Minor (Allegro Non Troppo)
- Études-Tableaux op.33: 2. C (Allegro)
- Études-Tableaux op.33: 3. C Minor (Grave)
- Études-Tableaux op.33: 5. D Minor (Moderato)
- Études-Tableaux op.33: 6. E Flat Minor (Non Allegro - Presto)
- Études-Tableaux op.33: 7. E Flat (Allegro Con Fuoco)
- Études-Tableaux op.33: 8. G Minor (Moderato)
- Études-Tableaux op.33: 9. C Sharp Minor (Grave)
- Études-Tableaux op.39: 1. C Minor (Allegro Agitato)
- Études-Tableaux op.39: 2. A Minor (Lento Assai)
- Études-Tableaux op.39: 3. F Sharp Minor (Allegro Molto)
- Études-Tableaux op.39: 4. B Minor (Allegro Assai)
- Études-Tableaux op.39: 5. E Flat Minor (Appassionato)
- Études-Tableaux op.39: 6. A Minor (Allegro)
- Études-Tableaux op.39: 7. C Minor (Lento: Lugubre)
- Études-Tableaux op.39: 8. D Minor (Allegro Moderato)
- Études-Tableaux op.39: 9. D (Allegro Moderato: Tempo Di Marcia)
- Variations on a Theme of Corelli op.42: Theme (Andante)
- Variations on a Theme of Corelli op.42: I. Poco Piu Mosso
- Variations on a Theme of Corelli op.42: II. L'Istesso Tempo
- Variations on a Theme of Corelli op.42: III. Tempo Di Menuetto
- Variations on a Theme of Corelli op.42: IV. Andante
- Variations on a Theme of Corelli op.42: V. Allegro (Ma Non Tanto)
- Variations on a Theme of Corelli op.42: VI. L'Istesso Tempo
- Variations on a Theme of Corelli op.42: VII. Vivace
- Variations on a Theme of Corelli op.42: VIII. Adagio Misterioso
- Variations on a Theme of Corelli op.42: IX. Un Poco Piu Mosso
- Variations on a Theme of Corelli op.42: X. Allegro Scherzando
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XI. Allegro Vivace
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XII. L'Istesso Tempo
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XIII. Agitato
- Variations on a Theme of Corelli op.42: Intermezzo (A Tempo Rubato)
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XIV. Andante (Come Prima)
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XV. L'Istesso Tempo
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XVI. Allegro Vivace
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XVII. Meno Mosso
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XVIII. Allegro Con Brio
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XIX. Piu Mosso: Agitato
- Variations on a Theme of Corelli op.42: XX. Piu Mosso
- Variations on a Theme of Corelli op.42: Coda (Andante)
Rawsthorne: Piano Concerto no.2, Concerto for 2 pianos
Simpson: Piano Concerto (BBC Radio Classic)
BBCの放送音源で全てライブ演奏。収録年は全て違い、ロースソーンのコンチェルト2番は83年、2台ピアノのための協奏曲（ブレンダ・ルーカス夫人との共演）は68年でこれが初演、シンプソンの協奏曲（オグドンに献呈）は67年の演奏である。正直、曲自体にあまり魅力を感じないため評価は難しいが、ヴィルトゥオーゾ的なフレーズも十分迫力を持って弾いている。やはり同郷の作曲家には熱意を持って取り組んでいたのだろう。（リンク）
- Rawsthorne: Piano Concerto No. 2: 1 Allegro piacevole
- Rawsthorne: Piano Concerto No. 2: 2 Allegro molto
- Rawsthorne: Piano Concerto No. 2: 3 Adagio semplice - poco allegro - temp 1
- Rawsthorne: Piano Concerto No. 2: 4 Allegro
- Rawsthorne: Concerto for 2 pianos & orchestra: 1 Allegro di bravura - allegro
- Rawsthorne: Concerto for 2 pianos & orchestra: 2 Adagio
- Rawsthorne: Concerto for 2 pianos & orchestra: 3 Theme and Variations
- Simpson: Concerto for piano & orchestra: Largo - Allegro - Vivace - Andante con moto - Allegro con brio
Messiaen: 20 regards sur l'enfant-Jésus (Decca)
オグドンは意外に近代フランス音楽に興味があったようで、メシアンもその流れで録音したのだろう。イヴォンヌ・ロリオの演奏がややもったりしているのに対し、オグドンは切れ味の鋭いところを見せている。この曲は名演が数多く、オグドンの演奏が代表的なものとは言えないが、作品の魅力を十分に堪能できる。（リンク）
Messiaen: Visions de l'Amen
オグドン夫人であるブレンダ・ルーカスとの録音。メシアン作品の特徴は、独特の旋法とリズムの取り扱いにあるが、それゆえにこの2台ピアノのための曲はかなり複雑に入り組んでいるが、夫婦デュオということもあり、息も合っていて十分に練られた演奏をしている。この作品の録音としてはかなり秀逸だと思う。（リンク）
Rachmaninov: Suite nos.1&2, Debussy: Petite Suite, Bizet: Jeux d'enfants, etc.
ブレンダ・ルーカス夫人との共演版。筆者未聴。ラフマニノフの組曲は意外に録音が少ないのに加えて、アレンスキーの組曲など選曲が面白い。たまに中古屋などで見かける。（リンク）
CD1
- Rachmaninov: Fantaisies-Tableaux(Suite no.1): 1. Barcarolle
- Rachmaninov: Fantaisies-Tableaux(Suite no.1): 2. La Nuit... L'Amour
- Rachmaninov: Fantaisies-Tableaux(Suite no.1): 3. Les Larmes
- Rachmaninov: Fantaisies-Tableaux(Suite no.1): 4. Paque
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 1. Barcarolle
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 2. Scherzo
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 3. Russian Theme
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 4. Valse
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 5. Romance
- Rachmaninov: 6 pieces for Piano duet op.11: 6. Slava
- Rachmaninov: Polka Italienne
- Arensky: Suite for 2 pianos: 1. Romance (Allegretto)
- Arensky: Suite for 2 pianos: 2. Valse (Allegro)
- Arensky: Suite for 2 pianos: 3. Polonaise (Allegro Ma Non Troppo)
- Khachaturian: Sabre Dance (Gayaneh)
- Rachmaninov: Suite no.2 op.17: 1. Introduction (Alla Marcia)
- Rachmaninov: Suite no.2 op.17: 2. Valse (Presto)
- Rachmaninov: Suite no.2 op.17: 3. Romance (Andantino)
- Rachmaninov: Suite no.2 op.17: 4. Tarantella (Presto)
- Shostakovich: Concertino op.94: Adagio - Allegretto - Adagio - Allegretto - Adagio
- Debussy: Petite suite: 1. En Bateau
- Debussy: Petite suite: 2. Cortege
- Debussy: Petite suite: 3. Minuet
- Debussy: Petite suite: 4. Ballet
- Debussy: Fetes (No 2 Of Nocturnes, Arr. Maurice Ravel)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 1. Reverie (L'Escarpolette)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 2. Impromptu (La Toupie)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 3. Berceuse (La Poupee)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 4. Scherzo (Les Cheveaux De Bois)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 5. Fantaisie (Le Volent, Le)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 6. Marche (Trompette Et Tambour)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 7. Rondino (Les Bulles De Savon)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 8. Esquisse (Les Quatre Coins)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 9. Nocturne (Colin Maillard)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 10. Caprice (Saute-Mouton)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 11. Duo (Petit Mari, Petite Femme)
- Bizet: Jeux d'Enfants: 12. Galop (Le Bal)
Rachmaninov: Two Pianos（ASV）
こちらもブレンダ・ルーカス夫人との共演版。あれ？ラフマニノフの組曲って上の盤とかぶってる？と思われたかもしれないが、実はこちらは86年に再録音したもの。再録音をした理由はわからないが、こちらにはラフマニノフの代表曲・前奏曲 Op.3-2の2台ピアノ版やロシア狂詩曲が収録されているので、見つけたら買っておいて損はない。このデュオはハズレがないと思う。（リンク）
Scott: Piano Concerto 1&2, Early One Morning (Lyrita)
筆者未聴。シリス・スコットもイギリスの作曲家。印象派の影響を強く受けつつ、当時イギリス上流階級で流行っていたオカルトの影響を受けた曲なども書いている。料理本（なぜ？）や詩集を出版するなど多彩な人であったが、現在ではほとんど演奏されない。他のピアニストによる演奏を聴いたことがあるが、ヴィルトゥオーゾとは遠いスタイルの曲だった。（リンク）
大変長くなったので、エントリーを改めるか、のちに追加したい。
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