Altarusが完全に沈黙してしまっている中、ソラブジのリリースはBISからのウーレンによる「100の超絶技巧練習曲」シリーズとなってしまっていたが、ここにきて若手による初録音が発売された。Symphonic Nocturne(1977-1978)である。
演奏しているのは、Lukas Huismanという29歳のベルギー人の青年。なんだってこんな世界に足を踏み入れたのか…と思いきや、Daan Vandewalle(世界に5人しかいないOpus Clavicembalisticumの全曲演奏者の1人)の生徒だったとか。教師の影響は罪深い。その後、Ian PaceやJonathan PowellやGeoffrey Douglas Madgeのマスタークラスを受けたそうで、まぁなんというか業が深い。この曲も自ら楽譜を作成したらしい。将来ある若者がこんな儲からなそうな分野に…
で、曲であるが、CD2枚組で1曲、なんでもソラブジでもっとも長い単一楽章の曲だそうである。鍵盤の全域を使った音響は流石のソラブジ節。ある意味ソラブジはノクターンの作曲家だと思うので、実にソラブジらしい曲と言えるかもしれない。ノクターンとは言っても、激しいパッセージが入ったりもするが、曲のパートを分けることができる構成ではなく、連綿と即興的な曲調が続くので、ソラブジ曲の中でも視聴にハードルが高いかもしれない。
海外ではとっくに発売済みだが、なぜかアマゾンでの取り扱いが遅く(海外アマゾン含む)日本では12月に発売らしい。一聴の価値はある。